臨時増刊特集 日常役立つ診療技術
診断篇
V.縦隔検査法—とくに縦隔の直接的検索
縦隔検査法—とくに縦隔の直接的検索
吉松 博
1,2
1公立岩瀬病院外科
2慶大
pp.731-738
発行日 1970年5月20日
Published Date 1970/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203132
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縦隔には心・大血管,気管・気管支,食道などの重要な臓器を擁し(図1),これら臓器の病変に対する診断法・検査法の進歩はきわめて著しい.縦隔病変にはさらに縦隔腫瘍やリンパ節病変(慢性炎や癌転移などの)が加わり,それらの鑑別がより複雑となり,その診断は日常治療法選定上重要な問題である.
縦隔の病変に対して従来行なわれてきた検査法の主なものを整理してみると表1のとおりで,胸部X線写真の各種撮影法に加え,気管支造影,食道造影,大動・静脈造影などがあり,これらは比較的容易に行なわれてきたが,後縦隔の病変に対して縦胸静脈(図2),胸管造影(図3)などもさらに活用されるべきであろう.
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