臨時増刊特集 日常役立つ診療技術
診断篇
II.消化器系疾患の診断技術
1.胃腸管の機能検査
川井 啓市
1
,
三崎 文夫
2
1京府医大増田内科
2京府医大大学院
pp.645-650
発行日 1970年5月20日
Published Date 1970/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203101
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形態学的検査と機能検査
胃腸管の病態生理を機能面から把握しようとする試みは古くからなされ,実際,形態学的検査法のあまり進歩していない時期には,むしろ唯一の診断法ですらあった.しかしその後の形態学の華々しい進歩の陰にかくれ,機能検査はともすれば忘れがちになり,等閑視されている傾向がないでもない.この理由はElect-ronics,放射性同位元素の応用により,機能面の検索が容易になった現在でも,かなりの労力や特殊な設備を必要とし,そのうえ診断法としては補助的な意義しかもっていないからである.しかし臨床検査法としては,形態的側面と機能的側面からのアプローチが,病態生理を基底とした内科的治療のためには欠かすことのできない車の両輪といえよう.
以下,胃腸管(膵外分泌を含む)の機能検査法を表示し,主として文献の紹介を中心におのおのの意義についてふれたい.
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