増刊号 ひとりでも困らない! 検査当直イエローページ
Ⅲ章 報告前に必要なチェック
〔生化学検査〕
血糖
山崎 家春
1,2
1公立学校共済組合関東中央病院臨床検査部
2東京医科大学分子病理学分野
pp.1213-1217
発行日 2015年10月30日
Published Date 2015/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542200577
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緊急性
血糖は意識障害やショックなど重篤な症状がみられるとき,検査する重要な項目である.生体内ではエネルギー源として重要な要素であり,基準値は75〜109mg/dL程度に調節されている.パニック値は施設によって異なり,臨床医師と協議のうえ定める必要があるが,一例を挙げると,外来患者は60mg/dL以下,350mg/dL以上,入院患者では60mg/dL以下,500mg/dL以上としている.
緊急時に異常低値や異常高値を放置しておくと生命に危険があるため,採血時の瞬間値を迅速に把握することが正しい初期診断・治療のために必要である.測定値がパニック値の場合は再検の必要性はあるが,再検をする前に,まず検査依頼医師に所定の方法で中間報告を行うことを優先する.さらに,これから再検する旨を伝えることも重要である.
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