化学検査のうつりかわり・1【新連載】
血糖
佐々木 禎一
1
1札幌医大中検
pp.68-76
発行日 1973年1月15日
Published Date 1973/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907951
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今から8年前,筆者が初めて当中央検査部に来て,まず一番初めに手がけた仕事のひとつは血糖の測定法であった.
当時まだHagedorn-Jensen法1)が使われており,たくさんの大試験管,大型試験管立て,くびれのあるロート,濾過用の綿花,そして滴定用ビューレットなどが検査テーブルを占領し,担当者は濾過,加熱そして滴定にと忙し気に走り回っていたのを記憶している.担当技師は忙しいのをこぼしはするが,‘現在より適切な検査法はないものか’というような疑問などは念頭にないようであった.それは一見古くから伝承されてきた方法を宿命的に踏襲しているのみで,むしろ‘複雑な検査法はそれだけ高度な検査である’と思っているようにも見受けられたものであった.
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