話題・春の内科関係学会から
第28回医学放射線学会—学園紛争の影響もなく多かった演題と活発な討議
赤木 弘昭
1
1阪医大放射線医学
pp.592-593
発行日 1969年5月10日
Published Date 1969/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202669
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今総会の特徴・講座担当者会議
4月8,9,10日の3日間,第28回日本医学放射線学会総会は米子市公会堂と鳥取大学医学部記念講堂の会場で,鳥取大学阿武保郎教授を会長としてひらかれた.シンポジウムとしては,I・胃エックス線検査法の検討(入江教授司会),II.悪性腫瘍の放射線治療における薬物の併用(山下教授),III.頭蓋内疾患のアイソトープ診断(覧教授),IV.電子計算機の放射線医学の応用(立入教授)の4主題と一般演題430題,うち口演155題,展示189題,紙上発表186題の発表が行なわれた.
今回の総会の特徴としては評議員会にさきだち講座担当者会議がひらかれ,各大学における放射線医学教育の現況と将来計画,教材の交換,教育カリキュラムなど討議され,続いて午後の評議員会も従来になく討論は活発をきわめ,ついに1時間ほど時間が延長した.注目すべき議題としては,理事会よりの各地方部会への諮問事項の報告,すなわち理事会の若返り,中央放射線部のありかた,特に中放と放射線科との関係が問題になり,放射線科の理念の確立と放射線科医としての他科に対する技術的な指導性と包容性が要求された.同様の事項は評議員提案事項にもみられ,放射線科専門医制度に対する理念と養成方法,認定方法,他科との関連が問題となり,さらには診療科としての放射線科の存在が討議され,放射線科医の社会的・行政的な面まで問題が発展した.
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