話題
早期治療につながる診断基準作成の要望—第3回糖尿病学の進歩パネルから(2月8-9日,福岡市)
細迫 有昌
1
1八幡製鉄所病院内科
pp.421
発行日 1969年4月10日
Published Date 1969/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202623
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臨床医師の卒後教育のための試み
先般,福岡市において糖尿病学の進歩に関するパネルディスカッションが開催された.この会は日本糖尿病学会が卒後教育を目的として年に1回行なっているものであり,過去2回東京と大阪で開催され,今回が第3回である.この会は,糖尿病学の各分野における最近の知見をその分野で研究している講師が一般臨床家を対象にわかりやすくまとめて講演するので,糖尿病学を専攻していない医師が糖尿病について知識を新たにし,それを整理するのにもっとも便利な機会であるといえよう.医師の卒後教育は重要な問題であり,各種の試みがなされてはいるが,日本糖尿病学会がこのような企画を実行されたことは一般臨床家にとって非常にありがたいことであって,他の学会でも同様の催しをぜひやっていただきたいと念願するものである.
今度の会には約400人が参加したが,これを住所別に分けてみると,福岡県が115名,福岡県以外の九州地区が74名,その他の地区が182名であった.この数字は全国からの広範な参加を示すとともに,九州地区の会員が半数を占めたことから,この会が九州地区での糖尿病に関する知識の普及向上に役だった事を示しており,その意義はじゅうぶん評価されるべきであると思われる.
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