内科疾患と皮膚・8
関節の周囲の結節
西山 茂夫
1
1東大皮膚科
pp.1001-1003
発行日 1968年8月10日
Published Date 1968/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202342
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関節の周囲に結節がみられる場合の病変
一般に,主として細胞成分の増加による皮膚の小さな盛り上がりを丘疹とよんでいる.丘疹のうち米粒よりも大きな皮膚の隆起を結節(Knoten)というが,経験的に非炎症性の細胞ないし組織の増殖が考えられる場合には,米粒より小さくても結節または小結節とよぶのがふつうである.
四肢の関節の付近に結節をみる場合には,おおよそつぎのような病変の可能性を考える必要がある.1)全身性の代謝障害による沈着症,たとえば黄色腫,痛風,石灰沈着症,2)リウマチ性疾患と関係のある皮膚結合織の1次的変性性病変,たとえばリウマチ結節,環状肉芽腫など,3)皮下または真皮の炎症性変化に伴って線維化を生ずる場合,たとえば持久性隆起性紅斑,萎縮性慢性肢端皮膚炎,Knuckle Padsなど,4)末梢循環障害による皮膚の肥厚,特に指関節背面における病変,たとえばChilblain-Lupus 5)関節部位に好発する肉芽腫性感染症,たとえばMelker結節.このうち内臓病変と関係のある若干の結節性病変について述べる.
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