ファースト・エイド
強度の呼吸困難
長岡 滋
1
1都立広尾病院第3内科
pp.390-391
発行日 1968年3月10日
Published Date 1968/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202149
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呼吸困難を生じうる種々のメカニズムを 頭のなかで整頓しておく
強度の呼吸困難は,臨床上暗い示唆にとみ,患者はもとより,医師もさし迫つた感じをいだく。実際にわれわれが強度の呼吸困難を訴える患者に接する場合,一定のオーダーに従つて診療することは少なく,急患として対処することがほとんどであるから,本症状を生じうるメカニズムを探究し,それに合致した合理的な処置を選択するいとまがない場合が多い。しかも,ためらいと同じく,発生機序のいかんを考慮にいれない軽卒な処置は,とりかえしのつかない事態を招来することがある。
可及的迅速にしかも可及的慎重に。このジレンマのなかに位置する"強度の呼吸困難"は,臨床家にとつてこの上なく厄介な課題といえよう。そして冷静に対することが望まれるが,それには表1のような呼吸困難を生じうる契機の大要をつねに念頭にいれておき,各項目に該当する諸疾患のうち,頻度の高いものとその治療法に精通しておくことがたいせつである。
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