症例
転移性がん性心嚢炎の症例とその処置について
塚本 玲三
1
,
五十嵐 正男
1
,
井島 宏
2
,
日野原 重明
1
1聖路加国際病院内科
2九大医学部井口外科
pp.1803-1806
発行日 1967年12月10日
Published Date 1967/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202042
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生前に診断をくだしえた悪性腫瘍の心転移例はHeninger1)(1934)を初めとして諸家によつて報告されているが,生前診断は現在においてもなお必ずしも容易ではない。
以下に報告する症例は,生前原発巣不明のまま,がん性心嚢炎と診断されたものであるが,心嚢液採取により著明な利尿をみ,さらにまた60Co照射により心嚢液貯溜遅延と利尿とがみられ,心嚢液貯溜の度合と利尿との間に明らかな相関がみられ,心拡張不全による血行不全の動態を観察しえた興味ある例である。
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