特集 尿糖
尿糖の症例
7.情動と糖尿
池見 酉次郎
1
,
大野 喜暉
1
1九大・心療内科
pp.205-207
発行日 1967年2月10日
Published Date 1967/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201661
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外来の初診時や,入院当初の尿糖検査にさいして陽性を示した患者が,他日再検すると陰性になつていることは,しばしば経験されるところである。このような一過性糖尿は,食餌,ブドウ糖注射,外傷およびショック,中枢神経系疾患,内分泌疾患,飢餓,薬物中毒,月経,妊娠などにさいしてみられる。このほかに,精神的興奮,不安,苦痛などにさいしても糖尿がみらることがあり,これは情緒性糖尿とよばれている。ここでは、以前に私どもの教室で経験した情緒性糖尿の症例を紹介するとともに,その発生機転について,若干の考察を加えてみたい。
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