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きのう・きよう・あした
山形 敞一
1
1東北大・内科
pp.1441
発行日 1966年10月10日
Published Date 1966/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201508
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7月16日(土)昨目午後4時半,徳島空港に下り立つたときから覚悟していたことであつたが,徳島の暑熱にはさすがにまいつた。ホテルは冷房なのに扇風機が置いてあるので不思議に思つていたが,夜中の1時ごろに冷房がとまると同時に目がさめて,なんともやりきれない。窓をあけると少しは涼しいが,蚊が入つてくる。やむなく,また窓を閉め,扇風機の風力を利用して,ようやくまどろんだというしだいであつた。朝9時半に学術会議第7部会総会の会場である徳島大学医学部図書館に行くと,すぐ昨夜の暑さが話題となり,K会員のごときは夜中に水風呂に入つてみたがどうしても眠れなかつたということだつた。
午前10時から会議が始まる。さすがに冷房があるので議事もはかどる。懸案の医学部卒業後の医師(インターン,レジデント,医局員など)の教育制度と研究制度のありかたについて議論が白熱する。このためには,医学部附属病院のありかたを考えなおして,教育と研究と診療の根本体制を緊急に再検討すべきであるということに意見が一致し,秋の総会までに特別委員会設置の具体案をまとめようということになつた。正午すぎに会議をいつたん休憩して,眉山ホテルの知事招待会に行く。知事は明石と淡路島と鳴戸を結ぶ瀬戸大橋架橋の重要性を説く。世話人の徳島大学教授のK会員もさかんに必要性を強調している。現地にきてみてこれが徳島の最重要問題であつたことに気づく。
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