基礎医学
心房細動のしくみ
佐野 豊美
1
1東京医歯大・心研
pp.707-713
発行日 1966年5月10日
Published Date 1966/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201313
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細動の発生機序というと昔からの興奮波旋回説とか,異所性刺激生成説とかが頭にうかぶ。その長い論争は最近どうなつたであろうか。この問題はまだ解決には程遠いが,いちじるしい進歩をみている。これを今後解決するにあたつて,ことに細動に関しては,はたしてわれわれは本当の証拠を多く得ているのかどうか,むしろ粗動よりの類推が多いのではないか,あらためて反省してみる必要がある。一方最近徴小電極法が登場して細胞電気生理学が長足の進歩をとげたため,この見地からの細動研究が著明な発展をみた。この方面も多少紹介し,上記従来の諸説との関係いかんにふれてみたい。
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