グラフ
内科的真菌症
福島 孝吉
1
1横浜市大内科
pp.14-15
発行日 1966年1月10日
Published Date 1966/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201124
- 有料閲覧
- 文献概要
内科的真菌症は,患者の局所的あるいは全身的弱点に乗じた発病が多い.呼吸器アスペルギウス症やクリプトコックス髄膜炎は,慢性の経過をとり,診断治療の暇があるので,患者を救い得る可能性が高いが,他の病型および他の真菌症の多くは,重症の基礎疾患がすでにあつて,その末期に併発発病するので,生前の診断が困難で剖検で始めて診断されるのが通例で,臨床家としては手の打ちようのないのが現状である.診断には,前者ではレ線写真上の菌球像,菌塊,菌苔の排出,臨床材料中での菌体の証明,菌の培養が重要であり,後者はもつぱら組織漂本中の菌体の証明によつている.
図1 Aspergillus flarris,の集落,アスペルギルス症の病原真菌としては,Asp.fumigatusが約70%を占めるが,次いでAsp.flarrisが多い.サブロー寒天培地に値え37℃(あるいは室温)に培養する.Aspergillusの種別の同定は集落の形態,色,閉子器,菌核,さらにスライド培養を行なつて,菌糸,胞子頭,および胞子などの細い形態や色で行なわれる.
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.