基礎医学
フィブリノイド変性—Fibrinoid degeneration
大高 裕一
1
1東京医大病理
pp.1089-1093
発行日 1964年10月10日
Published Date 1964/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200528
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結合組織の病理学的変化として,従来,もつとも関心をもたれ,こんにちでもその代表的病変として注目されているのがフィブリノイド変性である。かつてはアレルギーに特異的な形態病変とみなされ,最近では,膠原病における共通の特徴的変化ともいわれた。したがつてアレルギーとか膠原病という疾病観を正しく理解するためには,フィブリノイド変性の本態に関する考えかたの変遷を知つておくことが必要である。
細胞の病変を中心とする過去の病理学とは異なつて,近代病理学については,結合組織,ことにその線維間の物質である基質の病理に関する研究がさかんである。この新しい動向も,もとをただせば,フィブリノイド変性の再検討が出発点となつている。
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