海外だより
A. Schweitzer病院の診療
高橋 功
1
1シュワイツァー病院
pp.742-744
発行日 1964年8月10日
Published Date 1964/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200426
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知られていない病院の実情
Albert Schweitzer(以下A. Sと記す)とガボン共和国のランバレネにある病院については,すでに多くの人びとによっていろいろに書かれている。A. Sは黒いアフリカの医聖だとか,ランバレネは医学の聖地だとかいういかにもセンチメンタルな記事から,その病院はたいへん旧式できたない,それは新興ガボンの近代化をはばむ壁だといつたふうな非難や誹謗の記事まで,いろいろさまざまである。なかにはその医術まで時代遅れだと書いた記事も私の目にはいつている。しかしその多くは部外者の筆になるもので,いままで勤務員がこれに書きおよんだのはあまりないのである。昨年外科主任Dr. Rolf MüllerがMünchener Medizinische Wochenschriftに50 Jahre Albert-Schweitzer-Spital in Lambareneと題して書いたものが,勤務員のペンになる稀少なものである。
A. Sがランバレネに黒人救済のための病院を開設したのは1913年4月だから,それからすでに51年を経過している。もちろん当時の病院は現在地からオゴエ河を下だること3キロのアンデンデというプロテスタント伝導所のある地点にあつたので,現在地アドリナノンゴに移つてきたのは1927年1月だつた。それからもう37年もたつているのである。
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