正常値
尿の細胞成分の正常値
林 康之
1
1順大臨床病理教室
pp.394-395
発行日 1964年6月10日
Published Date 1964/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200325
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尿沈渣の細胞成分の診断的意義は,クリアランステストあるいはPSP試験など腎機能検査とは別個なものがあり,腎疾患の診断,治療上重要なもので,検査頻度も高い。この尿沈渣の検査で,成績の読み方として正常異常の判定や,疾患の経過の観察上なるべく数量的に正確な解釈が必要なことはいうまでもない。
ところが従来その規準となるべき各細胞成分の正常値が,夜間12時間尿で,しかも食事上の規制も加えて測定された数値として表わされており1),臨床的評価の上で多少曖昧であつた点は否定できない。また蓄尿後細胞数を算定する場合は別として,外来患者で昼間1回尿の検査で得られた結果をどのような規準で判定すべきかということも必要である。これらの数量的な解釈のしかたについて,技術的な問題も含めて以下に述べる。
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