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聴診法によつて測定した血圧と腕の太さとの関係について
細野 清士
1
1慶大・内科
pp.34
発行日 1964年4月10日
Published Date 1964/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200218
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間接法(聴診法または触診法)によつて血圧を測定するには,マンシェットを上腕に巻いて上腕動脈を圧迫するのであるから,上腕の太さは当然測定値に影響を与えるわけである。
Ragan & Bordley1)は聴診法によつて測定した血圧と直接法による圧との差が上腕の太さ(周径)によつて左右されることを示した。Pickering2)はRagan & Bordleyのデーターに基いて,聴診法による血圧の補正表を作成した(第1表)。すなわち聴診法で測定した血圧は上腕の周径によつて補正しなければならないというのである。ただし,Pickeringは,この補正は値も大きくないので,大きい集団を取扱うときには意義があるが,個人の血圧を論ずるときはあまり問題にならないと述べている。
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