連載 こんなときどうする?内科医のためのリハビリテーションセミナー・10
心臓②心不全
森 信芳
1
,
上月 正博
2
1東北大学病院内部障害リハビリテーション科
2東北大学大学院医学系研究科障害科学専攻
pp.170-172
発行日 2013年1月10日
Published Date 2013/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402106625
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症例
〔63歳,女性〕
60歳時に動悸,息切れ,下肢の浮腫がみられ,近くの総合病院を受診し,拡張型心筋症,僧帽弁閉鎖不全症,うっ血性心不全の診断で入院となる.退院まで半年ほどかかった.退院1カ月後に心室頻拍,心不全増悪にて再入院した.メキシレチン内服にて状態が安定し,およそ4カ月で退院.
前回退院からおよそ2カ月後に心不全増悪のため3度目の入院.心エコーでは左室駆出率(LVEF)20%程度と低下し,心電図上wide QRSを認め,左室同期不全を認めた.入院4カ月後に両心室ペーシング,植え込み型除細動器植え込み手術を施行し,QRS幅は80msとなったが,LVEFは改善がみられず,カテコラミンからの離脱困難が続いた.僧帽弁閉鎖不全症が心不全悪化の原因の一つと考えられ,手術の適応が検討されたが,術後の低心機能状態から離脱困難となる可能性があることなどから本人,家族は手術を希望しなかった.入院から11カ月後にようやく強心剤点滴から離脱し,体力の改善を目的にリハビリテーション(以下,リハ)科紹介,転入院となった.
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