発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2006320909
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近年の降圧薬に関する大規模臨床研究の結果をもとに,カルシウム(Ca)拮抗薬,アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI),アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)の心血管事故予防効果を旧来薬(利尿薬,β遮断薬)と比較評価した.高血圧治療においては降圧がもっとも重要であり,利尿薬,Ca拮抗薬,ACEIは,ほぼ同等の心血管事故予防効果をもつと考えられる.ただし降圧とは独立して,Ca拮抗薬は脳卒中,ACEIは冠動脈疾患の予防に優位である可能性がある.β遮断薬の効果は利尿薬,Ca拮抗薬,ACEIと比較して劣ることも考えられる.ARBの臓器保護効果はACEIと同等と想定されているが,いまだ旧来薬と比較できるほどのデータは蓄積していない
©Nankodo Co., Ltd., 2006