連載 感染症フェローのシンガポール見聞録・11
耐性菌との闘い
馳 亮太
1
1亀田総合病院感染症科
pp.1855
発行日 2012年11月10日
Published Date 2012/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402106537
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昨今の感染症業界では,耐性菌の問題とどう対峙していくかが大きなテーマになっています.新しく効きの良い抗菌薬を開発しても賢い細菌たちはすぐに耐性を獲得してしまいます.強力な抗菌薬の登場に期待するかわりに,今あるものを適切に使用していかに耐性菌を発生させないか,そしてどのようにしてその拡大を防ぐかという点にフォーカスが絞られてきています.
シンガポールも例外ではなく,耐性菌の問題におおいに頭を悩まされているようでした.多剤耐性のアシネトバクターやESBL(extended spectrum beta lactamase)産生の耐性グラム陰性桿菌,MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)を代表とする耐性菌の割合は欧米と同様に高く,そのほかの菌に関しても日本よりも耐性化が進んでいる印象でした.
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