REVIEW & PREVIEW
変わりゆくCKD診療
今井 圓裕
1
1中山寺いまいクリニック
pp.1830-1834
発行日 2012年10月10日
Published Date 2012/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402106208
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最近の動向
CKD重症度分類の改訂とこれに伴うわが国での対応
2012年にKDIGO(Kidney Disease:Improving Global Outcomes)による慢性腎臓病(CKD)の重症度分類が改訂され,これに対応するために,『CKD診療ガイド2012』が日本腎臓学会から出版された1).CKDの診断基準は変わらず,重症度分類が変更された.CKDの重症度は原因(Cause:C),腎機能(GFR:G),蛋白尿(Albuminuria:A)によるCGA分類で評価することとなった(表1).重症度はGFRとアルブミン尿を組み合わせて表現することとなった.アルブミン尿分画は,normal to mildly increased albuminuria(30mg/gCr未満),moderately increased albuminuria(30~299mg/gCr),severely increased albuminuria(300mg/gCr以上)に分類された2).
これに対し,わが国では,微量アルブミン尿が,糖尿病性腎症の診断に必須であり,心血管疾患の重要なリスクファクターとして十分に認識されているため,これをそのまま残し,macroalbuminuriaに相当するseverely increased albuminuriaを「顕性アルブミン尿」と新たに命名した.さらに糖尿病以外はアルブミン尿の保険適用がないため,微量アルブミン尿,顕性アルブミン尿に対応する蛋白尿を軽度蛋白尿(0.15~0.49g/gCr),高度蛋白尿(0.5g/gCr以上)と定めた.
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