REVIEW & PREVIEW
くも膜下出血診療の現在
高須 俊太郎
1
,
吉田 純
1
1中部ろうさい病院脳神経外科
pp.515-517
発行日 2012年3月10日
Published Date 2012/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402105855
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くも膜下出血に対する治療は,顕微鏡手術技術の進歩,術中モニタリングなどの支援機器の発達,血管内治療によるコイル塞栓術の確立などによって,治療成績の向上が認められている.一方で重症くも膜下出血の致命率はいまだに高く,脳血管攣縮による脳梗塞発症も機能的予後を悪化させる大きな問題である.
致命率の高いくも膜下出血が発症する前に予防するために,MRA(MR angiography;MR血管造影)の普及とともに1990年前後から脳ドックが広まり,未破裂脳動脈瘤の診断,治療が進められるようになってきた.未破裂脳動脈瘤の破裂率はいまだに議論があるが,動脈瘤の大きさや部位を検討し,治療適応を判断する必要がある.
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