今月の主題 脂質異常症―動脈硬化症を予防するためのStrategy
ガイドラインをめぐって
【脂質異常症をどの程度に管理すべきと考えるか】
CKDを合併する場合
渡辺 毅
1
1福島県立医科大学腎臓高血圧・糖尿病内分泌代謝内科(第三内科)
pp.811-814
発行日 2011年5月10日
Published Date 2011/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402105169
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ポイント
★CKDは独立した動脈硬化リスクであるので,脂質異常症の治療とアルブミン尿減少,腎保護,腎不全病態の改善を目指した治療を同時に行う必要がある.
★進行したCKDでは,一般にLDL-Cが高いほど心血管死亡率が低い傾向にあるが,低栄養,全身炎症のない患者では逆の関係がある.
★ネフローゼ症候群では,Ⅱ型脂質異常症,非ネフローゼCKDでは,メタボリックシンドロームに類似の高TG血症,高IDL血症,低HDL血症,TG含量の多い質的リポ蛋白異常が特徴である.
★CKDでは,LDL-C値とともに(空腹時または食後)non-HDL-C値は,心血管イベント・予後に対する予知および治療指標である.
★スタチン治療の心血管リスク軽減効果は,保存期CKDでは非CKDより良好であるが,透析患者では証明されていない.
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