今月の主題 緊急画像トラブルシューティング―内科医のためのPearlとPitfall
神経疾患を疑ったら
くも膜下出血(SAH)だと思ったのに頭部CTでははっきりしない―軽症SAHの診断におけるpitfall
西 徹
1
1済生会熊本病院脳卒中センター脳神経外科
pp.579-583
発行日 2011年4月10日
Published Date 2011/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402105111
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ポイント
★くも膜下出血の正確な診断は,まず,精密な問診から始まる.軽症SAHの場合は,典型的な「悪心嘔吐を伴う突発的な頭痛」という既成概念を取り除いて診察に臨む必要がある.
★頭部CTでの診断は,くも膜下腔のhigh densityの存在のみではなく,low densityが描出されないことにも注目しなければならない.
★病歴上SAHが充分に疑われ,頭部CTにては明らかな所見を認めない場合は,次のステップとして可能であれば頭部MRI, MRAを選択すべきであるが,不可能であれば,腰椎穿刺を試みる.
★頭部CTおよび頭部MRIにおいては,発症からの経過時間を念頭に置いて画像診断に臨まなければならない.
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