外科医に必要な脳神経外科common diseaseの知識・8
クモ膜下出血(SAH)(2)—破裂脳動脈瘤の治療
魏 秀復
1
,
宇野 淳二
1
Hidehuku GI
1
1馬場記念病院脳神経外科
pp.403-405
発行日 2001年3月20日
Published Date 2001/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904411
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治療
破裂脳動脈瘤によるSAHは発症時に約半数がすぐさま死亡する致死率の高い疾患である.運良く死に至らなかった約半数は何らかの処置を受けるが,時にある特異な病態を併発する.それは出血性疾患に脳血管搭攣縮(vasospasm)による閉塞性疾患,つまり脳梗塞を合併することである.出血と脳梗塞が同時に起こるのである.外科的に脳動脈瘤の「根治術」を施行したにもかかわらずバゾスパズムによる致死的な多発性脳梗塞が生じることも稀ではない.このバゾスパズムに対して近年最新の血管内手術器具の導入により劇的に神経症状の改善が得られる症例が増えてきた.あらゆる治療に抵抗性であったバゾスパズムに対抗しうる有効な手段をわれわれは初めて手に入れたのである1,2).
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