今月の主題 これ血液悪性疾患?自分の守備範囲?―非専門医のための見分け方
扉
緒方 清行
1
1日本医科大学血液内科
pp.2059
発行日 2010年12月10日
Published Date 2010/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104917
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血液を専門としない医師が日常診療や健診などでリンパ節腫脹や血算異常を診た場合,リンパ腫や白血病を疑うべきか,血液内科医に診せるかどうか,悩むケースが多い.一方,実際に血液内科へ紹介されるなかには,血液疾患ではないケースも多く,地域によっては,血液内科医の診療へのアクセスが容易でない場合もある.また,最も多い造血器腫瘍である非Hodgkinリンパ腫は,全身のあらゆる部位が原発になりうるという特徴がある.血液内科医以外の方が造血器腫瘍を治療する機会は少ないが,診断の端緒は,プライマリケア医をはじめ,すべての診療科の医師に依存している.さらに,専門医での治療を終えた造血器腫瘍患者のフォローを依頼される機会は増加する傾向にあり,造血器腫瘍の診療の基礎知識は重要である.
そこで本特集では,造血器腫瘍,特に白血病・リンパ腫・骨髄腫について,非専門医の方々へ向けて,①病歴,身体所見,検査所見からどのように白血病・リンパ腫を疑うか,②白血病・リンパ腫を疑ったとき,どのように判断し,どのような場合に血液内科医に紹介するか,③専門医での治療を終えた患者をどのようにフォローアップするかを中心に,実践的なガイドを企画した.読者の方々の日常診療のお役に立てば幸いである.
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