特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集
免疫学的検査
感染関連検査〈ウイルス関連検査〉
ムンプスウイルス
寺田 喜平
1
1川崎医科大学小児科
pp.390-392
発行日 2010年10月30日
Published Date 2010/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104803
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
陽性値の出るメカニズムと臨床的意義
抗体は宿主の生体防御反応の一つであり,間接的ではあるが,その測定は確定診断や免疫の有無を判断するのに利用されている.抗体測定方法は,EIA(enzyme immunoassay:酵素免疫測定)法やNT(neutralization test:中和試験)法,HI(hemagglutination inhibition test:赤血球凝集阻止試験)法,CF(complement fixation:補体結合反応)法などがある.
EIA〔ELISA(enzyme-linked immunosorbent assay:酵素免疫抗体測定)〕法ではIgMとIgG抗体に分けて測定することができる.IgM抗体は急性期に上昇し,約半年以内に陰性化するため,IgM抗体が陽性であるとワンポイントで診断することができる.しかし,急性期の早期ではIgM抗体がまだ陽性化していないことがあるので,陰性の判断には注意が必要である.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.