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特集 ウイルス疾患の検査法
ウイルス検査技術
ムンプスウイルス
mumps virus
長瀬 正俊
1
1自衛隊衛生学校研究部
pp.1246-1249
発行日 1975年11月15日
Published Date 1975/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909171
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ムンプスは臨床的には主として耳下腺の腫脹と発熱によって気付かれるウイルス病で,その定型例を流行期にみた場合には臨床的にも比較的診断が容易である.しかし耳下腺の腫脹を認めない不顕性感染も30〜40%はあってウイルス学的検査によって初めてムンプスと分かる場合も予想以上に多い.特に髄膜脳炎を合併(合併率0.5〜10%)した場合にはウイルス学的検査が診断の決め手となりうる.ムンプスは一般的には軽症と考えられがちであるが中枢神経に対する侵襲がまれならずあるほか,睾丸炎(合併率,成人男子の約20%),卵巣炎(合併率,成人女子の約5%),膵臓炎もみられ,最近では心疾患との関係も判明してきているので,検査の重要性が増している.
感染はムンプスウイルスを含んだ飛沫がヒトからヒトに伝播することによって起こり,発病までの潜伏期は2〜3週間である.
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