特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集
免疫学的検査
感染関連検査〈ウイルス関連検査〉
A型肝炎ウイルス関連検査
八橋 弘
1
,
矢野 公士
1
,
玉田 陽子
1
1国立病院機構長崎医療センター臨床研究センター
pp.374-375
発行日 2010年10月30日
Published Date 2010/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104797
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
A型肝炎ウイルス(hepatitis A virus:HAV)関連検査には,IgM-HA抗体,HA抗体,IgG-HA抗体,HAV-RNAなどがある.
A型肝炎とは,HAV感染によって生じる急性の肝障害で,一過性感染で経過し慢性化することはない.感染経路は経口感染であり,汚染された水,食品を介して伝播する.潜伏期は2~6週間である.小児感染例の多くは無症状で経過するが,成人例では顕性化し,50歳以上の高齢者では重症化することがある.慢性化することはなく,感染後はHAVに対する終生免疫が成立する.ワクチンによる感染防御が可能で,HAワクチンの防除能は十分に証明されている.
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