連載 研修おたく海を渡る・53
マッチングの季節(2) 面接対策
白井 敬祐
pp.895
発行日 2010年5月10日
Published Date 2010/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104459
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僕がフェローに応募したときにはエッセイだけで自分をうまく説明することに苦労しました.そこで自分の生い立ちからアメリカにたどり着くまでの「写真付きの自分史」を作って,願書に紛れ込ませました.「余計なことをして,変なやつだと思われないか」と迷ったのですが,「これをおもしろいと思ってくれるところに呼んでもらえればいいや」と逆セレクションのつもりで出しました.現在のERASというオンラインシステムでは,無理かもしれません.まだ応募書類が紙だった頃の裏技です.実は自分のアイデアではありません.ハーバードのMBAに入った部活の先輩に教えてもらった作戦なのです.
担当面接官の名前入りのスケジュールをもらってからが準備のしどころ,本気度の示しどころです.Google,PubMedを駆使して,面接官の専門分野を調べます.文献を読めれば,それに越したことはありませんが,中には数百の論文を書いているスタッフもいます.それでも抄録,いやタイトルだけでも目を通しておくとずいぶん違います.もちろん知ったかぶりをしてはいけません.面接官の研究に興味があると示すことができれば,あとは彼がひたすら自分の研究について話してくれることもあります.聞き上手に徹すればいいのです.誰でも自分の話を聞いてくれたら,いやな気分はしません.たぶん一緒に働きたいと思ってくれることでしょう.
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