連載 研修おたく海を渡る・38
不況の波
白井 敬祐
pp.355
発行日 2009年2月10日
Published Date 2009/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103801
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2008年末にやってきたアメリカ発の不況は,医療にも確実に影響を及ぼしています.そのまっただなかで日々の臨床で感じたことを紹介したいと思います.
患者さんがもっている保険のことをあまり考えずに診療できるということも理由の一つとして選んだ今の病院なのですが,状況は厳しくなっています.チャリティケアと言われる無保険者のために割り当てられた予算が毎月減らされているのです.waiverといって診察する医師が個々の裁量で許可すればdeposit(前払い金)がなくても診察できたのですが,それにも事前に各科のトップの許可がいるようになりました.“命にかかわる”状態であるとの証明ができればそれはいらないということなのですが…….僕が診察しているのはがん患者さんだけなので,“命にかかわる”といえばそうなのですが,それすらフリーパスではないようです.
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