書評
「治らない」時代の医療者心得帳―カスガ先生の答えのない悩み相談室
池田 正行
1
1国立秩父学園
pp.121
発行日 2009年1月10日
Published Date 2009/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103769
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「人間は究極の生物兵器である」と私が言っても,仕事場で,家庭で,そういった事例を嫌というほど経験しているあなたは決して驚かないだろう.その究極の生物兵器自身が,病気や怪我になったら,医師がその手当てを担当する.つまり,医師とは,手負いとなって攻撃力が高まった究極の生物兵器と常に対峙せねばならない商売である.
通常,血を吐いただの,骨が折れただのといった体の傷への対応については,われわれはしかるべき訓練を受けている.対応マニュアルも,医学書院をはじめとする出版社から数多く出ている.ところが,究極の生物兵器たる所以の「感情,言語,行動」に対しては,われわれはきわめて貧弱な装備しか持ち合わせていない.
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