連載 市中感染症診療の思考プロセス IDATEN感染症セミナーより・7
感染性心内膜炎のマネジメント
大曲 貴夫
1
1静岡県立静岡がんセンター 感染症科
pp.1910-1919
発行日 2008年10月10日
Published Date 2008/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103572
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ケース 発熱,心雑音,腰痛の訴えでER受診した65歳女性
現病歴 大動脈弁狭窄症を指摘されている65歳の女性が,歯科にて抜歯後,2週間続く微熱,食欲不振,易疲労感,倦怠感,安静でも改善しない腰痛で救急外来を受診した.歯科の抜歯直前にはとくに内服治療を受けていないという.抜歯後に2世代経口セフェムを処方された.薬物アレルギーはない.
身体所見 体温37.8℃,心拍数90/分,呼吸数22/分,血圧130/70mmHg.全身状態:ややきつそうにみえる,“だるくてどうしようもない”と.頭目耳鼻喉:結膜の出血斑あり.頸部:問題なし.心臓:逆流性のII/VIの収縮期・拡張期雑音あり,心尖部へ放散.胸部:肺胞呼吸音.腹部:平坦・軟,腫瘤なし,肝脾腫なし,第3・4腰椎に一致した叩打痛あり.四肢:爪下点状出血あり,手掌に無痛性の紅丘疹.
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