特集 一般医のためのエコー活用法
Ⅳ.腹部
臓器からみた腹部エコー
膀胱・前立腺
沖原 宏治
1
1京都府立医科大学泌尿器外科学
pp.344-349
発行日 2007年11月30日
Published Date 2007/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103092
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解剖と検査法
膀胱・前立腺において,腹部超音波検査の対象となる疾患を腫瘍性,非腫瘍性に分類すると,前者の代表的なものに,膀胱癌,前立腺癌が挙げられる.また,後者の代表として膀胱結石,前立腺肥大症などがある.なぜ腫瘍性と非腫瘍性疾患にあえて類別したかといえば,腫瘍性疾患の場合は,腹部超音波検査の施行により存在診断,可能であれば質的診断を確定し,腹部超音波検査単独で質的診断(悪性の可能性があるか?)の確定がほぼ可能であったとしても,ほかの検査(膀胱癌の疑いならば膀胱鏡,前立腺癌の疑いならば前立腺特異抗原:PSAの採血)に移行していくことが特徴的であり,非腫瘍性疾患では,腹部超音波検査そのものが確定診断,あるいは診断基準の必須な検査につながることが多いからである.
排尿障害を評価する残尿測定,前立腺容積測定を行うために膀胱,前立腺をうまく描出することが重要である.
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