書評
内科学
井村 裕夫
1,2
1京大
2先端医療振興財団
pp.1355
発行日 2007年7月10日
Published Date 2007/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402102864
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「教科書も進化する」というのが,医学書院の新刊,『内科学I・II』を手に取ったときの第一印象であった.図表を数多く入れて理解を助けていること,系統ごとに「理解のために」という項を設けて,基礎研究の進歩,患者へのアプローチ,症候論,疫学,検査法などをまとめていること,疾患ごとの記載でも疫学を重視し,新しい試みを導入していること,などであろう.膨大な内科学の情報を,2巻に凝縮した編集の努力も,大変なものであったと推測される.その意味で,新しい内科学教科書の1つの型を作り上げたといえよう.
序文にもあるように,内科学は医学の王道であるといってもよい.病気を正確に把握し,できるだけ患者に負担をかけない,侵襲の少ない方法で治療するのが,医学の究極の目標だからである.この目標を達成するためには,基礎研究の成果を活用することが不可欠である.内科学こそは臨床医学のなかでも最も生命科学に基礎を置いた分野であり,その理解なしに診療にあたることは困難である.本書ではそのような配慮が十分になされているといえる.
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