書評
一目でわかる医科統計学―第2版
相澤 好治
1
1北里大学医学部衛生学・公衆衛生学
pp.542
発行日 2007年3月10日
Published Date 2007/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402102717
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日本における臨床・治験研究の実施数は減少しており,国際的な治験ネットワークから取り残されるという危惧が囁かれている.国際的に評価される臨床・治験研究には適切な統計学的デザイン,分析がなされていなければならないが,残念ながら本邦では,大規模な臨床・治験研究ネットワークの構築が遅れている.臨床医,臨床統計学者,統計学者,疫学者の連携が十分でないことがその理由と考えられる.
一般臨床医がエビデンスに基づいた診療を行ううえで,統計学的な知識をもっていなければ適切な評価を行うことはできない.それでも統計学を避ける傾向があるのは,今までの統計学教本が理論から入るため,理解が困難であるためと思われる.書店には,統計学入門書が満ちあふれているが,どれを取っても難解であり,目の前にあるデータを処理するうえで消化不良を起こさざるを得ない.コンピュータソフトの統計パッケージの内容改善は著しく,統計学を理解していなくても統計解析結果が得られる.しかしその解釈には,統計学的知識が必要とされる.
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