書評
―藤本卓司 著―感染症レジデントマニュアル
松村 理司
1
1洛和会音羽病院
pp.478
発行日 2007年4月15日
Published Date 2007/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100809
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2年も前に書評を依頼されていながら,なかなか完読できなかったわけは,私の怠慢についで,個人的な環境の変化にあった.わりあい大手の病院の院長職への突然の就任は,想定外の激務の日々であった.大所帯の医局人事は,継続させること自体が困難な科も含まれる.民間病院なので,経営問題にも大きくのしかかられる.30年間に及ぶ公務員生活を振り返ると,「親方日の丸」の甘さを禁じ得ない.大小の医療事故への対応に昼夜をおかないこともあった.
その医療事故だが,最近では,感染症関連のものが多くなっている.当院でも,VRE(バンコマイシン耐性腸球菌)保菌の集団発生や透析室での急性B型肝炎の多発に襲われたのは,不面目の極みである.本書の著者の藤本卓司先生は,総合内科医や感染症医として現場の研修医や若手医師を惹きつけているだけでなく,院内感染管理医師としても名高い.
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