連載 Case Study 診断に至る過程・8
意外な関係
松村 正巳
1
,
Lawrence M. Tierney Jr.
2
1金沢大学医学部附属病院リウマチ・膠原病内科
2カリフォルニア大学サンフランシスコ校
pp.806-810
発行日 2007年4月10日
Published Date 2007/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402102697
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病歴&身体所見
63歳,男性
主 訴:血痰,関節炎
現病歴:約11カ月前から,朝の洗面時に痰にわずかに血が混じるようになった.4カ月前からは手,膝,足関節炎が出現し,近医で加療されたが症状は改善しなかった.また30分あまり持続する,朝の手のこわばり感もあるという.明らかな喀血のエピソードはなく,症状が良くならないため受診した.
既往歴:特記事項なし.
家族歴:特記事項なし.
嗜 好:たばこは1日20本を43年間吸っている.アルコールは機会があれば飲む程度である.
職 業:農業.
常用薬はなく,ペットは飼っていない.
身体所見:体温36.5℃,血圧120/84mm Hg,脈拍84/分,整,呼吸数16/分.快活に話をされる.皮疹,リンパ節腫脹なし.両手に太鼓ばち状指を認める.関節の可動域に異常はないが,手関節,足関節に圧痛と軽度の腫脹を認める.DIP,PIP,MP関節に関節炎の所見はない.呼吸音,心音に異常なし.腹部に異常所見なし.
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