増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
免疫学的検査
免疫血液学的検査
Coombs試験
小峰 光博
1
1昭和大学藤が丘病院内科(血液)
pp.644-645
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909973
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検査の目的・意義
抗グロブリン試験(antiglobulin test:AGT)とも呼ばれる.赤血球表面に抗赤血球抗体あるいは補体成分が結合しているか否かを調べる方法で,1945年,Coombsらが確立した.抗体がIgMクラスであれば赤血球は生理食塩水中で凝集する(完全抗体)が,IgGクラスの場合にはそのままでは凝集せず,Coombs血清(抗ヒトグロブリン家兎血清)の添加によって初めて凝集するので,そのようなIgGクラスの不完全抗体を検出するのに用いられる.広スペクトルの抗グロブリン血清にはヒトIgGと補体成分(C3およびC4)に対する抗体(主としてIgG抗体)が含まれており,スクリーニング検査に用いられる.
Coombs試験は免疫機序による各種の溶血性貧血の診断,輸血の交差適合試験,不規則性抗体の検出などに広く利用されている1).
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