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例 (消化管出血で入院した時のプレゼンテーションで)
研修医:血圧は114/62で,脈拍90の整でした.
指導医:あ,体位による変化はあった? 前回,教えたと思うけど…….
研修医:そ,そうですよね.体位による変化はあったような気がします.
指導医:座らせたのかな? それとも立たせたのかな? 脈が早くなったの? 血圧も落ちたの?
研修医:えーっと……どっちだったかな.脈拍は…….
指導医:(自分でやったなら忘れるはずもないだろうに)……まあ,次にいこうか.
研修医:はい.心臓と肺には所見なく,腹部は…….
指導医:貧血があるので,駆出性収縮期雑音はなかったかな?
研修医:えーっと,あの……その.あったかな…….
指導医:(こいつ,聴いてないな)…じゃぁ,検査所見にいこうか.
研修医:Hb/Hctは7.0/21.4で,(MCVは述べず)……BUN/Creは22.3の0.69,だったかな.あ,0.79でした.BUNは23.2でした.すみません.
指導医:(どっちでもいいけど… MCVはいくつなのかな?)
(※ 指導医は,本当はあまりプレゼンテーションを中断しないほうがいいのですが,今回の例ではポイントがわかるように中断をしています)
身体所見
前回お話ししましたが,準備しておくことがきわめて大切です.後述する検査所見は誰かがオーダーしているかもしれませんし,客観的なデータとして残りますが,身体所見は自分自身が取っていないと,しゃべろうにもしゃべれません.
病院/施設ごとに身体所見のフォーマットがあると,初期/後期研修(+スタッフ)の期間を通じて,共通の認識で所見を取ることが可能になるかもしれません.あまりフォーマットにこだわり過ぎるのも良くないかもしれませんが,身体所見における「必要最低限」が指導医も研修医も理解できていない状況であれば,存在価値は大きいと思います.
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