特集 臨床医必携 単純X線写真の読み方・使い方
総論
CR(computed radiography)画像―CR画像を活用するための基礎知識
堂領 和彦
1
1順天堂大学医学部附属順天堂医院放射線部
pp.8-15
発行日 2004年11月30日
Published Date 2004/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101184
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
CR画像の原理・基礎
1. デジタルとアナログ
従来,一般撮影領域における診断は,アナログフィルムが主流であった.近年,デジタル技術の進歩に伴い,CR(computed radiography)が主流となりつつある.そこで,まずアナログ画像およびデジタル画像の違いについて述べる.
アナログ画像とは,図1(a)に示すように空間的に連続的なデータ(光の強さ)をいう.デジタル画像とは,図1(b)に示すように連続的なデータに区切り,区切られた範囲のデータ値を飛び飛びの数値列で表現することである.データを区切ることをサンプリングあるいは標本化といい,数値列で表現することを量子化という.デジタル画像を評価する際,できるだけオリジナルに近い画像に近づけるには,図1(a,b)の比較からも理解できるように空間をできるだけ細かく区切り(画素サイズを小さくする),データ値を細かくきざめばよいことになる.この区切り方でデジタルデータの空間分解能と濃度分解能が決定する.デジタル化レベルを粗くとりすぎると図2のようにモザイク画像となったり,等高線が出る画像となってしまう.しかし,むやみに細分化することは,データ量が多くなるだけで経済的,運用的に非効率となる.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.