連載
目でみるトレーニング
岩崎 靖
1
,
田中 治彦
2
,
橋本 尚子
3
1名古屋大学医学部神経内科
2東京大学医学部附属病院循環器内科
3岡山中央病院内科
pp.1746-1751
発行日 2004年10月10日
Published Date 2004/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101140
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問題 385
症 例:78歳,男性.
主 訴:めまい,歩行障害.
既往歴:高血圧にて内服治療中.
現病歴:朝起床時より,めまい,ふらつきを自覚した.同日神経内科を初診し入院した.
身体所見:身長165.0cm,体重60.0kg,血圧186/100mmHg,脈拍76/分・整.呼吸数20/分・整,呼吸音正常.その他,一般内科所見に異常なし.
神経学的所見:意識は清明で,嚥下障害・嗄声を認めた.瞳孔は右2.0mm,左3.0mmで右眼裂の狭小を認めた.対光反射,輻輳反射は両側正常.眼球運動に障害はないが,左注視方向性の水平回旋性眼振を認めた.右軟口蓋は低位で咽頭挙上は左へ偏位し,咽頭反射は消失.舌の偏位や萎縮はなし.四肢の筋力は正常.左顔面と左上下肢を含む左半身の温痛覚低下を認めたが,触覚は四肢・顔面ともに両側でよく保たれていた.指鼻試験,踵膝試験で右上下肢の失調が認められた.腱反射は四肢で軽度亢進していたが,左右差・病的反射はなし.喉頭ファイバー所見で右声帯麻痺を認めた.
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