聖路加国際病院内科グランドカンファレンス(5)
発熱を主訴に受診した,肺結核の既往のある73歳男性
蝶名林 直彦
2
,
那須 英紀
2
,
佐藤 智也
1
,
小野 宏
1
,
小林 美和子
1
,
堀田 敏弘
1
,
堀ノ内 秀仁
1
,
春日 章良
1
,
田口 智博
1
,
鈴木 高祐
1
,
岡田 定
3
,
負門 克典
4
,
横田 恭子
5
,
小松 康宏
6
,
松井 征男
7
1聖路加国際病院内科
2聖路加国際病院(呼吸器)
3聖路加国際病院(血液)
4聖路加国際病院(放射線)
5聖路加国際病院(感染症)
6聖路加国際病院(腎臓)
7聖路加国際病院(膠原病)
pp.1044-1053
発行日 2004年6月10日
Published Date 2004/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402100855
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蝶名林(司会) それでは本日のグランドカンファレンスを始めます.プレゼンテーションをお願いします.
症例呈示
佐藤(担当医) 症例は,73歳男性.主訴は発熱.プロフィールは,もと教師(国語・体育)でADL(日常生活動作)は自立.奥さんと2人暮らしです.
現病歴,既往歴などを以下に示します.
現病歴:2002年1月に喀血を主訴に紹介され,当院を受診.手足の多発性関節痛,腫脹,筋力低下,RA高値が認められ,関節リウマチおよびそれに伴う肺病変との診断で経過観察された.同年5月にも同様の喀血があり,気管支鏡にてリンパ球優位の淡血性のBALF(気管支肺胞洗浄液)を認めた.同年7月には浸潤影の出現を認め,TBLB(経気管支肺生検)にて肺胞腔内器質化像を認め,関節リウマチに伴う器質化肺炎と診断され,プレドニン®を1日30mgで開始.同年8月のCTにて陰影の改善傾向を認め,以降外来でプレドニン®を減量し,同年10月上旬には20mg/日まで減量した.しかし,10月28日に再び発熱と胸部X線上の多発空洞影が出現し,腎機能の悪化を認めたため精査加療目的に入院となった.
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