聖路加国際病院内科グランドカンファレンス(4)
血痰と血小板減少の精査加療のため入院した53歳男性
田口 智博
1
,
片岡 明久
1
,
野尻 さと子
1
,
鈴木 高祐
1
,
氣比 恵
1
,
奥川 喜永
1
,
加藤 格
1
,
真下 陽子
1
,
柚木 佳
1
,
内山 伸
1
,
武田 京子
3
,
渡辺 文彦
4
,
出雲 博子
5
,
蝶名林 直彦
6
,
岡田 定
7
,
古川 恵一
8
,
衛藤 光
2
,
小中 理会
2
1聖路加国際病院内科
2聖路加国際病院(皮膚)
3聖路加国際病院(臨床検査)
4聖路加国際病院(放射線)
5聖路加国際病院(内分泌)
6聖路加国際病院(呼吸器)
7聖路加国際病院(血液)
8聖路加国際病院(感染症)
pp.875-885
発行日 2004年5月10日
Published Date 2004/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402100817
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田口(司会) それでは,本日の内科グランドカンファレンスを始めます.プレゼンテーションを片岡先生にお願いします.
症例呈示
片岡(担当医) 症例は53歳の男性で,血痰と血小板減少の精査加療のため内科に入院しました.現病歴などを以下に示します.
現病歴:当院入院の約40日前より左手の第1指と第2指の腫脹を認め,近医皮膚科を受診.ロキソニン(R),セルベックス(R),セフゾン(R)を処方され,一時症状は改善したが,服薬を中止したところ,再び腫脹と発赤が同部位に出現した.また,しびれ,冷感が両手の第1指と第2指に出現したため,入院24日前に当院皮膚科を受診.episodic angioedema with eosionophilia(好酸球性血管性浮腫)の疑いにてアレロック(R),メチコバール(R),ロキソニン(R)を処方されるも,上口唇に浮腫,両足に疼痛(左に優位),両足第1指にしびれ,および37°C台の発熱が出現した.その後,入院12日前の皮膚科受診にてセレスタミン(R)を処方され,上口唇・両手指・両足指の浮腫・腫脹は改善されてきたが,入院4日前より両手指・両下腿中心に紫斑が出現し,また咳嗽時に血痰が認められたため,入院前日皮膚科を受診し,内科への紹介入院となる.
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