今月の主題 腹部疾患をエコーで診る
臓器・疾患別アプローチ―ワンポイントレクチャー
〈腎(非腫瘤性)〉
hyperechoic medulla
豊田 圭子
1
1東京慈恵会医科大学放射線医学
pp.246
発行日 2004年2月10日
Published Date 2004/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402100955
- 有料閲覧
- 文献概要
hyperechoic medullaとは,腎髄質高輝度エコー所見のことである.正常では低エコーである各髄質のエコーレベルが上昇し,中心部高エコーと一塊となったように見える.腎の大きさ,皮質厚の大きな変化は認めない.両側腎にみられることが多い.
その原因として,高尿酸血症,腎髄質石灰化症,低カリウム血症など両側の腎臓を侵すような病態が挙げられる.それぞれの病理は尿酸塩の尿細管内沈着,髄質内石灰沈着,髄質間質の線維化が考えられ,疾患は多岐にわたる(表1).腎髄質石灰化症では,高エコーの後方に音響陰影を伴うこともある.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.