カラーグラフ 足で診る糖尿病(7)
足の潰瘍・壊疽
新城 孝道
1
1東京女子医科大学糖尿病センター
pp.1238-1239
発行日 2004年7月10日
Published Date 2004/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402100897
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糖尿病患者の足病変のなかで潰瘍の発症はよくみられ(図1a),治療が不十分であったり手遅れであったりすると,壊疽に進展することが少なくない(図2a,b).足潰瘍は外的な要因での発症が多い.靴擦れ,熱傷,機械的刺激による角質異常,落下物や家庭内家具での外傷などと多種である.靴擦れについては,窮屈な靴の使用以外に,靴と足が適合していても,長時間の歩行での軽微な機械的刺激が続くことにより足の損傷が起こる.靴が大きすぎても,靴内での足の遊びが大きく,移動が大きいため靴内での衝突を受ける.
糖尿病神経障害例は足の冷えや足の防御感覚の障害があるため,機械的損傷がある程度大きくないと認知できないという問題点がある.また足の冷えが強く,家庭用の暖房器具での熱傷に罹患しやすい.高度の神経障害例は熱源に接触しても反射がなく,高度の熱傷を受ける.
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