今月の主題 抗菌薬を使いこなそう!―実地臨床での正しい選択と投与法
感染症診療の基本原則
感染症の診断と抗菌薬投与の基本的考え方
喜舎場 朝和
1
1沖縄県立中部病院内科感染症グループ
pp.538-540
発行日 2006年4月10日
Published Date 2006/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402100570
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ポイント
・耐性菌の氾濫する時代となった.これは環境汚染の一つ.
・原因は,抗菌薬の汎用・乱用による耐性菌の産生・伝播,感染防御能低下患者の急増.
・対策は,耐性菌の産生対策と伝播対策.産生対策は個々の臨床医の適切な抗菌薬の使い方に,伝播対策は院内感染対策委員会の活動などが主.
・目前の細菌感染の疑われる患者に適切な抗菌薬療法を施すように努めることで,直接的に患者の適切なマネジメント,間接的に産生対策が望める.
・適切な抗菌薬療法とは,起炎菌に感受性があり,できるだけ狭域スペクトルで,副作用の少ない,安価な抗菌薬の選択に努めること.
・そのためにはできるだけ正確な診断を先行させる.それは,感染病巣,起炎菌,患者の感染防御能の評価,重症度の評価を含む.
・EBMIP (evidence based medicine of individual patient).特に塗抹検査(グラム染色)と血液培養の有用性を強調する.
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