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初期研修の病棟でのコンサルテーションの一場面
(進行肺癌末期の77歳の患者さんが,痛みと左片麻痺を主訴に入院しました.これまでの数々の失敗からコンサルテーションの要領を得た研修医は矢継ぎ早にコンサルテーション依頼を書き始めました)
■指導医:「昨日の肺癌の患者さんの治療方針だが……」
●研修医:「麻酔科にコンサルテーションしたら,まず神経ブロックを行うようにとの返事でした」
■指導医:「うむ……」
●研修医:「臨床腫瘍科に相談した結果,今日からイレッサ®を開始しました」
■指導医:「えっ?」
●研修医:「あと,昨日の頭部CTで脳転移が見つかったので,脳外科にコンサルトしたところ,可能なら手術したほうがいいとのコメントで,手術の予定を組んでもらいました」
■指導医:「何!?」
●研修医:「それから,小球性の貧血がありましたので,消化器内科の先生に聞いたら,消化管出血を否定するなら内視鏡が必要とのことで,今週末に上部,来週に下部の内視鏡をお願いしてあります」
■指導医:「本当か!?」
●研修医:「あと,少し目が見にくいとのことで,この後,眼科の受診も……」
■指導医:「バカヤロウ! 何でもコンサルトして,その通りにやればいいってもんじゃないだろ! 患者さんの話をちゃんと聞いたのか!? 患者さんは,安らかな最期を迎えたいという希望で入院されたんだ! 手術や内視鏡は即刻キャンセルだ!」
コンサルテーションでも何度となく怒鳴られた“ダメ・レジ”君も,ようやく病棟業務に慣れてきました.確かに,速やかに問題点を抽出し,タイミングを逃さず,スムーズなコンサルテーションができていたはずだった(?)のですが,また,指導医に怒鳴られてしまいました.今回はどんなところに失敗の原因があったのでしょうか?
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