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疫学研究に関する倫理指針の策定について
原口 真
1
1厚生労働省大臣官房厚生科学科課
pp.509-512
発行日 2002年7月15日
Published Date 2002/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902768
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策定の背景および経緯
疫学研究は,客観的で科学的な根拠に基づいた診断・治療方法の確立や,予防対策の推進などで重要な役割を果たしており,医学の発展や国民の健康の保持増進に不可欠である.
一方で,疫学研究では,診療や疫学調査などで得られた個人情報を含む健康に関連する情報が利用されるため,個人情報保護への配慮が必要である.医療分野ではかねてより秘密保持の考え方が徹底され,個人のプライバシーに配慮されてきたところであるが,平成12年のヘルシンキ宣言の改訂でも示されたとおり,近年,ヒト由来の試料や個人を特定できる情報を利用する医学研究において,研究対象者に説明し同意を得ることが重要と考えられるようになり,さらに,個人情報保護の社会的動向などの中で,疫学研究においてよるべき規範を明らかにすることが求められるようになった.
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