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精神保健福祉法第32条による通院医療費公費負担についてのレセプト調査
三宅 由子
1
,
伊藤 弘人
2
,
佐名手 三恵
1
,
竹島 正
1
1国立精神・神経センター精神保健研究所
2国立医療・病院管理研究所
pp.191-195
発行日 2002年3月15日
Published Date 2002/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902694
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精神障害者通院医療費公費負担制度は,精神障害者の社会適応性の低さ,障害者家族の被る精神的・経済的損害の重さ,適正な医療が行われない場合の措置入院を要する程度に増悪する可能性,急速に発達した地域精神医療を普及させる必要性などの理由から,昭和40年に創設された.創設以来,在宅精神障害者の医療の継続性保持に大きな役割を果たしてきたものの,創設から35年を経て,医療保険制度や精神保健福祉を取り巻く社会状況の変化に伴い,事業のあり方の見直しが必要な時期にあるものと思われる.
利用者数は,制度創設時(昭和41年)には約3万3千人であったが,平成元年には30万人と,年々増加の一途を辿り,平成11年には60万人を超えた.それに伴いこの制度にかかる事業費は,平成5年から10年にかけて2倍近くにまで増加し,事業費の拡大が続いている.平成10年度には予算額が360億円を超えており,本制度の利用の実態と効果などに関して早急に調査・分析することが必要と思われる.
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